Writer:UIKAさん(公開日:2001年1月)
Duran Duran と私
私は現在、Duran Duranの祖国イギリス(ロンドン)に滞在して約6年になりますが、「ロンドンに住みたい!」(Duranの出身地はバーミンガムでロンドンではないのですが)という夢を持たせてくれたキッカケでもあるバンドであります。残念ながら私の手元にはCDしか資料がなくて、後は私の記憶によるのみ、という大変頼りのない、ひとりよがりなコラムである事を予めお断りしておきます。
私が"80’sという単語をきいて真っ先に思い出すバンドといえばDuran Duranなんですね。これは多分80年代前半の頃中高生だった女子の1/3はそう反応するんではないかと思うのですが。私が中学生になった時は(83年)クラスの女子の半分はチェッカーズ、半分は洋楽、つまりDuran DuranやCulture Clubといったバンドに夢中になってた光景がよみがえります。当時愛読してた「ミュージックライフ」や「音楽専科」「ビバロック」など(写真が大きくて沢山載ってたので私はビバロックが一番好きでした)切抜きを交換したり下敷きに入れて愛でていたものです。
中学に入って、それはもう、ものすごい勢いでビートルズ以外の"洋楽"を聴きまくりました。もちろん中学生が何十枚とLPを買える訳ではなく、もっぱらテレビ番組や(「Best Hit USA」「ロックTV」「ポッパーズMTV」などでしょうか)FMなどから聴いてたものです。その中で私の心を掴んで離さなかったバンドがDuran Duran,Japan,D.Bowieでした。Japanはもう解散してしまったので後追いでしたけれども、彼らの人気は解散後も何年も続くほど信者がおりました!(なぜそう言い切るかといいますと、お恥ずかしながらわたくし、いわゆるJapanの漫画系の(やおい・・・)サークルに何年も在籍していたからですネ。漫画も描いておりましたし、文通などもしておりました)小遣いの大半はレコード、雑誌、グッズを買う為に消費されてましたね。寝ても覚めても心を占めていたものは彼らであり、音楽を聴くかビデオを観る事が勉強以外でしていた事でした。当時の私の部屋は壁という壁にポスターが貼られており、なにかの強迫症でも患ってたごとくでございます。ところでJapanがでたところで、私がDuranのメンバーで誰が一番好きだったかがお分かりかと思います、はいそうです、キーボードのニックローズ様です★ やはりベースのジョンテイラー氏が巷の一番人気であったと思いますが、耽美系な私はやはりニックですね!もちろんJapanではデビシル~ゥ!!
Duran Duran の魅力
私が最初に聴いたDuranの曲は"RIO"。まだ3rdアルバム(Seven&The Ragged Tiger)を出す前でした。友人の部屋でした。そしてあまりのかっこよさに一聞惚れをしたのを今でもハッキリ覚えています。ピコピコせわしないキーボード、複雑な絡みのベースライン、引き締まったドラム、ちょっとヒステリックなギター・・・全てが素晴らしく聴こえたものです(あまり誉めてる例えになってませんが)。今でも"RIO"は一番好きな曲と断言できる程、それは衝撃的でした。
Duranの魅力といえば(やっと本題らしいネタ)、楽曲のよさ、ルックスの良さもさる事ながら、プロモビデオの素晴らしさ、という事をはずせません。1stアルバムの曲から彼らはさまざまなアイデアでもってより曲の良さを引き出すビデオを作り出してます。好例は、日本ではボカシ入りだった"Girls on film"(グラビアの美少女・・・いい邦題だ)、1本のスリラー映画のような"Nightboat"などでしょうか。"Careless memories"、"Planet Earth"などは割りとアッサリとした画像ではありましたが、"Planet Earth"の間奏の踊りは「New RomanticDance」などといって私も真似て踊ったり、当時のディスコで流行ったのではないでしょうか。(さすがに13ではディスコに行けず・・・といっても15でツバキハウスデビューは飾りました) そして2枚目の"RIO"のスリランカで撮影されたビデオクリップ"Rio"、"Hungry like the wolf","Save a prayer"," Lonely in your nightmere"これがまた本当に曲のイメージを具体化した見事なビデオなんですね。ただ景色の良い所でアーティストのアップを絡めただけのプロモビデオとは大違い。これらのビデオのおかげで彼らは全米でも大成功を収め、プロモビデオの重要性を他に知らしめ、プロモ番組ブームも起こしたといえるのではないでしょうか。(もちろん、プロモビデオの先駆者といえばD.Bowie様なのですが、ここでは一応Duranに花持たせて下さい)特に"Save~"は色々な賞を取るほど感動的なビデオであります。現在でも"Greatest "や"Decade"などのビデオが発売されております。Duranを10倍楽しむ為にもビデオを今一度買って(もしくは押入れに眠っている元祖プロモビデオ集やライブビデオなどひっぱりだして)鑑賞される事をお奨めします。当時の自分を懐かしく思い出し、何年か振りに聴いてまた改めてDuranの素晴らしさを噛みしめる事うけあいです。
Duranといえばもうひとつ、彼らはアルバムバージョン以外に沢山の曲で別バージョンを(主にナイトバージョンと名付けられていた)展開してました。シングルのB面に収録されてたようですが、あまりに多い為別バージョンだけを集めた編集盤まで出てました。(現在も別編集盤が出ておりますがお値段が高いので買えません。そのCDでしか別バージョン聴けないだけに値下げを心待ちしてます)これらも本編に負けず劣らずのかっこよい出来で、改めて彼らの才能に惚れ惚れしておりました。そしてやはりそれ以降、色んなバンドが別バージョンを出し始めたのではないでしょうか、これに関して確証はないのですが、そんな気がします。
今なぜDuran Duran?
ところで今はもうDuranなんて終わったバンド、っていうかまだやってたの?なんて思われる方もいるかもしれませんが、終わってません!! これは欧米に住む人のみの特権かもしれませんが、彼らは毎年冬にツアーをしているのです。アルバムも出しております。とはいえ、私も85年以降次第にDuranは聴かなくなり(やはり"Wild boys"以降でしょうか。)今も実は最新アルバムも買っていないという(高いんですもの)状況ですが。ファンのひいき目からみても85年以降のDuranは大会場でライブ出来る人気は保ちつつも黄金期の頃に比べると明らかにトーンダウンしてるのは事実でしょう。メンバーが抜け始めた頃からそれは始まってましたね。それでも"Notorious","Ordinary world","Come undone"等の素晴らしい曲も産み出しておりますが、全盛期のそれとは違いますよね。まぁ、年相応に落ちついた曲になってるというか。
私は3年前から(98年)その冬のツアーを毎年観に行っておりますが、15年ぶりに観たそのライブは、あまりにも昔と変わらずかっこよくて、まぁ、最近の曲を演られた時はテンション下がってしまうんですが、構成の半分以上を占める昔の曲を演ってくれる度にですね、中学生で彼らに夢中だった自分を思い出しながら、それはもう感激してました。当時あまり好きではなかった"Wild boys"ですらむちゃくちゃかっこよく聴こえるのです。特にオーラスの"Rio"で、会場が一体となって手拍子しながら最後のコーラス部分"Du du du du du du du du~"と大合唱するところなんてほんとに快感で、私は普段手拍子してライブなんて決して観ない性分だったのに、その時はもう気分は15年前の中坊でしたから、してたんですね~。ライブ後ももの凄く余韻に浸って、 たいそう幸せな日でございました。
ところが、それが3年も続くと話は別・・・というか、3年前のそのライブでデュラニーズ(熱心なDuranファンをこう呼びます)復活!したのですが、うーん、毎年同じような内容だと(最新の曲はいつも演るのですが、デュラニーズといっときながら全然知らないものですから、ピンと来ないのです・・・)飽きて・・・しまうのですね。3年前の感動は得られなくなったのは確かです。もしかしたら、そう、3年おき位 に観るのがちょうど良いのかもしれません。98年に出した"Greatest"を毎日何度も聴き返してたのも飽きが早かった一因でしょうか。その時は約13年振りにDuranを聴いたというのにビックリする程、歌詞がスラスラ出てきて呆れたというか、いかに中学生の時しつこく聴いてた成果 がここに!なんて思いました。
Duran Duran 再認識の旅へ...
オリジナルメンバーで最年少だったニックももう38歳。今ではニックとサイモンしかオリジナルメンバーがいないというのは何とも寂しい限りで、ジョンよ、なぜ抜けた~、ロスから(現在米国人女性と結婚し在住)戻って来い!と願わずにはいられません。ニックは相変わらず化粧は濃いけど当時と変わらずかっこよいし、サイモンは年取ってさらに男に磨きがかかって当時(なぜか)アンチサイモンだった私もそのかっこよさはウットリです。ステージアクションだって、まだまだ健在なのです。この前の12月に観たライブではプレスリーチックな素敵な踊りを観させていただきました。
元々バーミンガムでジョンとニックを中心に結成されたこのバンド、サイモンは一番最後にオーディションで加入したいわばやとわれボーカリストでした。フロントマンでありながら、バンドに自分の居所をつかむのに苦労したというサイモンですが、メンバーが抜け出し再構成されたDuranでは見事にニックと並ぶリーダーとしてバンドをひっぱって行っている姿はまじで素敵です。涙ものです。
くどいようですが、ぜひこの機会にDuran Duran再認識の旅に出られる事をおすすめします。聴いてみてね★
■参考資料